フランス語で「ご夫婦が」と言いたかった私は、
「夫婦ってなんて言うんだっけ?」
と彼に聞いた。
「couple だよ」
「恋人同士も couple だよね?」
「うん」
「夫婦も、恋人同士も、同じなの?」
「同じだよ」
日本では、主に男女の二人組を見たとき、
年齢や雰囲気から無意識に、
「あの人たちは夫婦かな」
「こっちはカップルかな」
と見分けている気がする。
もちろん、友達同士かもしれないし、職場の同僚かもしれない。
でも少なくとも、
結婚している「夫婦」と、
結婚していない「カップル」は、
言葉として使い分けていると思う。
だから、
「結婚しました」
と同じように、
「夫婦になりました」
という言い方も自然だ。
ところがフランス語では、
恋人同士でも、夫婦でも、
どちらも couple 。
結婚しているかどうかは関係ない。
もちろん、
「結婚しているカップル」
「婚約中のカップル」
のように説明を付け加えることはできる。
でも基本的には、
couple は couple らしい。
考えてみれば、
PACS もあるし、同性婚も認められている国だ。
入籍しているかどうかを基準に関係性を区切る感覚は、日本より薄いのかもしれない。
なんでなのか、
そのあたりは私にはまだ分からない。
もちろん日本だって、
第三者が勝手に「あの人たちは夫婦だ」「カップルだ」と判断しているだけで、
実際に入籍しているかどうかなんて分からない。
それでも私は、
日本では無意識に「夫婦」と「カップル」を使い分けているなあ、と思った。
そして、その感覚は世界共通だと思っていた。
でも、そんなことはなかった。
まあ、それだけの話。
でも、こういう「当たり前だと思っていたこと」が実は当たり前じゃない発見は、結構好きだったりする。


コメント