Anatamo!

フランス語


「Tu me manques.」

と彼に送った。

フランス語で「会いたいな」「恋しいな」という気持ちを伝えるときによく使う言葉だ。

しばらくして返ってきた返事は、


「Anatamo!」 


だった。

アナタモ!?

思わず笑ってしまった。

だって日本語として読むと、少し変。

「会いたいな」に対してなら「ワタシモ!」が自然な気がする。

一瞬、「日本語、間違ってるよ」と言いそうになった。

でも、その前にふと考えた。


待って。

私は何て送ったんだっけ。


「会いたいな」ではなく、「Tu me manques」だった。

フランス語では、この言葉に対する返事は「Toi aussi.」

つまり、「あなたも」。

あれ。

そう考えると、「Anatamo!」で合っているのかも。


私はフランス語で送ったのに、返事は日本語として読んでいた。

(だって「日本語」の返事が来たから!)


もし私が最初から「会いたいな」と日本語で送っていたら、彼も「ワタシモ」と返していたかもしれないし、

「Toi aussi.」と返ってきていたら、違和感はなかったのかもしれない。


そう思うと、なんだか面白い。

彼の母語はフランス語で、私の母語は日本語。

お互い相手の言語も勉強中だから、ときどきこういうことが起きる。

日本語でもない。

フランス語でもない。

その間のどこかにある会話。

少しすれ違って、少し考えて、最後に笑ってしまう。

こういうことがあると、私たちらしいなと思う。

時々、「Anatamo!」を思い出しては笑っている。

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